上野の特別な梯子

東博特別展「はにわ」と、科博特別展「鳥」をハシゴしてきた。子連れだったのでゆっくりはできなかったけど楽しかった。楽しかったけど疲れた。

 

はにわ展

・100年以上前に発掘、修復された踊る人の埴輪が、接着剤の劣化などにより移動も不可能な状態に陥っていたが、最新技術で解体・再修復が終わった、そのタイミングでのはにわ展だったことを知り、胸が熱い。

・とにかくでかい円筒埴輪、とにかくでかい円筒埴輪を作らんとして作ったのだろうなあ。人類はすぐとにかくでかいものを作りたがる。

鷹匠の埴輪の腕に乗る鷹がかわいかった。

・目玉の埴輪5人衆、東博所蔵の埴輪のキャプションに「バンクオブアメリカの支援により解体修復〜」とあり、日本…となる。

・破片からの復元の作業のことを考えただけで絶望的な気分になるが、あらゆる研究はごく断片的な情報を繋ぎ合わせてもっともそれらしい姿を描き出す営みであり、絶望的であることは変わらないか。

 

鳥展

・ゴリゴリに分類推しの展示なのがすごく良かった。系統樹が好き。

・何の疑いもなくタカ目に分類されていたハヤブサが、DNA解析によるとむしろスズメ目やインコ目に近いことがわかり、新たにハヤブサ目ができたとのこと。アツい。

・剥製のタグにバード川上の名前を見つける。

・「フクロウ」というフクロウがいるの、知らなかった。「スズメ」というスズメもいるから、そんなもんだと思えば、そんなもんか。

・ワタリアホウドリは、大人になるのに10年かかり、80年生きるという、ニンゲンみたいなライフスパン。もはやしゃべれそう。翼長3mで世界最大の翼を持つ。

日本画と西洋画の「雰囲気」の違いをハトに学ばせる狂気の実験。ハトすげえ。

 

考古学と分類学に対する憧れが強い。世界を知りたくて夜な夜な泣いている。

 

 

「うたのヤツら 1st Concert」

今日は8人からなるヴォーカルアンサンブルグループ「うたのヤツら」のコンサートへ。

tiget.net

ベースを歌っているお二方が古い知り合い、というか言ってしまえば学生時代の合唱団でご一緒した方。当時から激ウマで、私とは違って卒業後もゴリゴリに合唱人をしていらっしゃる。

そういう面子をベースに据えるアンサンブルなので、まあ上手だろうと期待していたのだけど、実際に聴いてみたらどうよ。

正直いって腰を抜かしたね。ちょっとだけ侮っていましたごめんなさい。ほんとうに素晴らしかったです。

 

プログラムはすべて無伴奏の宗教曲。前半は様々な編成で、つまり3声部から8声部まで変幻自在なアンサンブルを披露。後半はラインベルガーの変ホ長調ミサを全曲。

どれも良かったなあー。敢えて挙げるとすれば、

プーランク

初っ端のソプラノに惚れちゃった。ホールの祝福を受けていた。

・デュルフレ

立ち位置がキュッとなっててかわいかった。

・ラインベルガー

本日のメインディッシュに、もちろん歌い手も気合い入ってるのは当然なのだけど、世が世ならこの人たちは歌だけで一生食べていけても別にいいんじゃないか?とすら思った。

 

最初から最後まで、聴いていてとても気持ちの良いアンサンブル。ある瞬間の音に揺さぶられた感性が、その求めるとおりの音を、次の瞬間に歌ってくれる。上質なマッサージのように、こちらが欲しいタイミングで気持ちの良いツボを押してくれるから、天へ昇るかのような心地である。

いや、これはほんとうは逆か。彼らの音楽の流れに私の感性が乗せられてしまってるのに、そのあまりの淀み無さに、流されていることに気付いていないのである。

その美しい流れは、しかし、あくまでもひとつひとつの要素の積み重ね、ひとりひとりの技術と熱意の賜物であるようにも感じる。8人のシンガーはそれぞれに明確なキャラクターがありつつ、音楽上の役割、和声や構造を正しく理解してそれをこなす。それでいて「私はこの音をこう歌いたい!」と溢れ出る各々の感性、それが折り重なって紡がれるパッション!アンサンブルの極致!そんな、ヤツらのうたに耳を満たされ、身を委ねる幸福なひととき。

 

褒めすぎなので、せっかくなので難点も頑張って捻り出しておくと、アンコールは私の好みではなかったです。まあ私の好みでないというだけで、上手だったし何より楽しそうで良かったです。

一方で(?)MCは個人的に好きでした。上手すぎる合唱とのバランスが絶妙で、とても和みました。

 

ともかく良き時間でした。「1st」とのことで、これからの活動も楽しみ。また聴きたいです。

 

パトロール

カルディを見回って感じる季節の移り変わり。秋のおとずれ。

チェックするのはだいたい和菓子系売り場。まずは季節関係なくきなこねじり。去年見つけて美味しかった紅茶のあまぐりが並んでいたのでカゴへ。そして初めて出会ったこちら。

https://www.kaldi.co.jp/ec/pro/disp/1/4570018726309

栗マシュマロ。

栗餡が入ったマシュマロ。マシュマロ部も栗ペースト入り。

栗餡がちゃんとしてるというか、ちゃんとした栗ペーストなので美味しい。「すごい美味しいのでオススメ」かというと、まあそこまでは言わないけど、栗好きな私はけっこう好き。ちょっと量が少ないけど、栗と言われると仕方ねえなと思ってしまう。

現場からは以上です。

 

シトラスでビターな

これが美味しい。

www.asahiinryo.co.jp

いろいろあって最近はほぼ酒を飲んでない。が、ビールなんか好きなので、やっぱり気持ちとしてはビール的なものを求めてしまい、ノンアルコールビールにやたら詳しくなってるこの頃。

結論としてはどうしたって、ノンアルコールビールはビールではねえな、というところに行き着くのだけど、それはノンアルを腐してるんじゃなくてノンアルはノンアルとしてもはやそういうジャンルなんである。私はビールの代わりにノンアルコールビールを飲んでるのではなく、ノンアルコールビールが好きなんだよ。ノンアルビール以外にノンアルビール的な飲み物がないから、ノンアルビールを飲んでる。

で、まあ、ノンアルビールではないんだけど、なんというか私がノンアルビールに求めている成分がだいたい入った液体がこれ。ウィルキンソンタンサンのシトラスビター。

いや、ちょっと語弊があるか。ノンアルビールではないし、もちろんノンアルビールの味はしないんだけど、私がノンアルビールに求めてたのはだいたいこの中に入ってるわ、という液体が、ウィルキンソンタンサンのシトラスビター。おんなじか?

要はつまり、私はノンアルビールが好きと言いながらノンアルビールにノンアルビールであることを求めてはいなかったということなる。意味がわからない。

とにかくシトラスビターが好きです。こういう商品はすぐに生産終わりがちなので、そうならずに定番として残り続けるように、私のためだと思ってみんな買って欲しい。

まあ、無くなったら無くなったで、シトラスビター的な飲み物の代わりにノンアルビール買えばいいんだけど。

 

寿

アニメ好き、早見沙織好きを公言して憚らない弊ブログなわけだが、案外「イベント」には行ったことがない。

世の中には、アニメイベント、ひいては声優イベント、というものが存在する。アニメ作品のプロモーションとして出演声優を連れてきてあれこれしゃべらせるイベントだったり、アニメとは関係なく声優のラジオとかが主体のイベントだったり。竹橋の科学技術館にあるサイエンスホールは、なぜか声優イベントばっかりやってることで有名だ。

そういうイベントに行ったことがないのは、なんとなくNot for meと思ってたからで、つまり食わず嫌いしていた。早見沙織のライブは最高だが、ただ話しているのを観たいかと言われると…まあ声が好きだから観たいんだけど、金と時間が無限にあればね…という感じであった。

で、このたびその手のイベントに行ってきました〜、という話。とは言えそれは気が変わったわけではなくて、早見沙織だけでなく、寿美菜子悠木碧を合わせた3人によるラジオ「ことはゆ」のイベントだったから。寿美菜子悠木碧も好きな声優なので、三人寄れば流石の私も楽しんじゃうのでは、と思って。あと、カラオケコーナーがあるという話を聴き、はやみんのカラオケは是非聴いてみたい、というのも理由。ちなみにこの御三方は同い年で仲良し。

結論としては、とても楽しかったし、そしてやはりNot for meであった。これは本当に心から本心なんだが、なんというか、みんな楽しそうで何よりです。

ただ、行って良かったとは思ってる。というのは、驚いたことがあって、カラオケコーナーの寿美菜子がめちゃくちゃカッコよかったんである。ハリとボリュームのある声に、センスの良いノリ。とても良いシンガーだ。

寿さんは私にとって「響け!ユーフォニアム」の田中あすかであり、あとNHKのダルメインの庭の放送のナレーションしてた人で、以前から声はすごく好き。一方で歌については、配信されている曲を聴いたことはあったのだけど、そのときは不覚にも「ふーん」っつって流してしまった…。今回のイベントで生パフォーマンスを聴いて、まったく己の不明を恥じた。いやまあしかし、ライブが特に良いタイプの人なのかもしれない。ライブあったら行ってみたい。

 

ふわっふわ

歳をとって出来るようになることもあるが、とにかくできないことが増える、というのをひたすらカッコつけて言い訳したのが「四十にして惑わず」「五十にして天命を知る」…なんだなと、自分がその歳になって知る。

先月お誕生日を迎えて、ひとつ歳が増えた。不惑不惑、もう44歳、くらいのつもりだったけど、実はまだ42歳で驚いてる。どういうこと?こう見えて生き急いでるのかな?

この歳になって、とまとめるには人それぞれと思うが、とりあえず私的にこの歳になって迎える誕生日は、正直特別な感慨が全くない。子供が騒ぐのでとりあえずお祝いするか〜、という感じ。とはいえそれはそれで嬉しい、というか自分が誕生日を迎えることは心からどうでもいいが、子供が楽しそうなら本当にそれが一番。

先の投稿でせっかくなので自分が食べたいクソデカモンブラン作った話を書いたが、じつは子供もケーキを作ってくれた。こちらはさつまいもモンブラン

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ほらかわいい!写真では大きさがわかりにくいけど基礎がマリービスケットです。

子供自身が読んだ本から触発されて企画し、たどたどしい字で書き写したレシピを見ながら協力して作ったもの。その気持ちに顔がゆるむじゃないか。誰がレシピを噛み砕いて作業を指示して、誰がさつまいもクリームを絞ったかなんてのは些末な問題である。(でも「ケーキづくりは本当は片付けまでやで」と釘を刺してしまったのはすみません)

あと、案外、というか当然というか、味がすごく良かった。ビスケットとさつまいもと生クリームとグラニュー糖しか使ってないからね。

万策尽きて

かねてからの夢であったクソデカモンブラン作って食べた。 自分のお誕生日に自分が食べたいものを作ったまで。

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写真がイマイチわかりにくいけど18cmくらい。6号。

 

モンブラン好きなのでモンブランがあるとモンブランを選びがちな人生なのだが、「これは…!これだ!」というモンブランに出会うことは案外少ない。ケーキ屋さんのモンブランは美味しいけどいろいろオリジナリティを出し過ぎて滑ってる(と個人的には感じてしまう)ことも多く、結局セブンのモンブランがすき…みたいなところに落ち着いたり。ただ、長野県小布施町にある小布施堂本店で食べたモンブラン朱雀、あれは美味しかった。マイベストモンブラン

「すごい好き」な人と「まあ普通〜」って人に分かれるのがモンブランなので、モンブランのホールケーキにお目にかかることは少ない。お店で見かけなくもないが、「みんなで食べる」ホールケーキとして実際にモンブランが選ばれることは、無いとは言わないがやや攻めたチョイスであろう。

そこで、自分の誕生日にあたり自分で作るケーキという基本的に誰からも文句は出ない機会にこそ、と、ここ3年くらい思い続けて、今年やっと実現した次第。お菓子作りには「整う」ことが必要だが、つまり整うのに3年かかった。

時間がかかった理由のひとつが、構造設計の迷い。普通のモンブランって、たいていはクリームを絞った上に細い口金でマロンクリームを絞る。しかし、大きなモンブランでは、中身を全てクリームにしてしまうと、味としてしつこい上にそもそも構造的に成立しない。ケーキ作り(あんまりレシピがないタイプのやつ)の半分は構造設計なんである。

迷った挙句に今回採用したのはドーム型スポンジケーキ。ガラスボウルの内面にスポンジケーキのシートを貼り付け、中にクリームやフルーツなどの具材を詰め込むのである。以前にキャラ系ケーキの土台として使ってみて、わりと汎用性が高そうなことは確認済み。さらに中身はクリームではなくムースにして強度を出す。ムースは流し込みできるから向いてるし。

結果的に方針は悪くなかった。ただし、具材、つまり栗をもっと入れた方がしっかりするかも。いちおう刻んだ栗甘露煮を入れたのだけど、少なかったのであまり意味なかった。あと、単にドームの足元部分のスポンジを厚めに入れた方が良い。

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カットしてもいちおう自立してるけど、なんかふにゃふにゃでギリギリだ。ムース自体ももっとフワフワのイメージだったが、どちらかというとプルプルな仕上がり。フワフワムースってどうやるんだろ。

さてモンブランモンブランたらしめるマロンクリーム。いつ整ってもよいようにマロンペーストは常備してあったし、使ったことないけどモンブラン口金(細い穴がたくさん空いてる口金)も持っていたので何の問題もない!

はずだったのだが、案外上手くいかなかった。絞ること自体はそんなに難しくないのだが、マロンクリームが柔らかすぎてダレてしまった。ダレた結果きれいに絞れず、せっかくのモンブラン口金も台無しである。単に生クリーム入れ過ぎたんだと思う。富澤のレシピを参考にしたが、材料のマロンペーストのモノが違えばそりゃレシピも変わるわな。

 

まあね、でもね!クソデカモンブラン作って食べる夢は叶った、という達成感はすごい!

と、なんか満足してしまったので、反省はたくさんあるけど次作るのはだいぶ先になりそう。