「mist」

Apple Musicによれば、2024年度に私がいちばん聴いた曲だそうだ。

言うまでもなく、早見沙織の曲。しかし数ある楽曲の中でも、特にタイアップがあるわけでもない、わりと地味なコレというのは少し意外…というのは嘘で、いちばん好きな曲だから、いちばん聴いただけであり、納得の結果。

「mist」は早見沙織が2020年にリリースしたミニアルバム「シスターシティーズ」に収録されている5曲のうちの1曲。全て違うアーティストによる作曲&全て早見沙織による作詞というミニアルバムで、「JUNCTION」(前作となるフルアルバム、早見沙織作詞作曲を10曲含む意欲作)から分かれた先に辿り着く姉妹都市、という建て付けである、たぶん。

「mist」の作曲は横山克…と聞いても正直ピンとこなかったのだけど、アニメ、ドラマなどの劇伴で活躍している人。個人的にはあまりお世話になった作品はなく、これといった印象も無いのだけど、早見沙織にアテてこの曲を書いたんだから天才だと思ってる。

四つ打ちのミニマルなリズム、ゆらめくサウンド、その上に吹き抜けるメロディ。霧のようにどこか掴みどころがなく、しかし、だからこそ霧のように乾いた心を濡らす詩。その言葉たちをウェットな響きで、それでいて軽やかに紡いでいく歌声。訥々と語る低音、シルクのように煌めく高音、のびやかに歌い上げる中音。はやみんの良いとこ全部盛りである。好き。

と、思ってたのだけど!

この曲の真価は、なんとライブにあった。 アルバム「白と花束」の特典Blu-rayに収録されていたライブ演奏を聴いて、心臓を撃ち抜かれたのである。

2023年1月2日に開催されたスペシャルライブ「Before Dawnー夜明けに君と」の序盤6曲目に歌われた。打ち込みの録音のアレンジに沿いつつ、バンド演奏のまさに「ライブのゆらぎ」がバッチリ嵌まってて、本当に素晴らしい。揺らぎ、うねり、押し寄せるサウンド。生々しくウェットなのに軽やかで、どこか現実離れした歌声。立ち姿に見る透明感、浮遊感、神々しさ。このライブ自体やっぱり最初から最後まで良いのだけど、その中でも「mist」は特別な輝きを放っている、という個人の感想。

じつは京都のオケコンでも歌ったらしいんだよなあー。オーケストラ編曲!聴けなかったのが悔しくて仕方ない!

というわけで新年1/4のオケコンで聴けることを願ってる。2025年初詣でお祈りしてくる。

ところでなんとまだチケット取れるので、みなさんも是非。ほんとうにオススメ。

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