「HAYAMI SAORI Orchestra Concert 2025」

2025年も大変お世話になりました。良いお年をお迎えください。

ということで、私の2025年はもう終わりでいいです。早見沙織オケコン2025、見事に打ちのめされてきました。白と花束ツアーのとき以来の衝撃。このところ多少落ち着いたと思ってた早見沙織ブームが再燃というか爆発炎上してる。

整理できないままの頭で、以下とりあえず書き散らかす。

 

早見沙織ご自身も今日が仕事はじめとのこと、そんな2025年は「夢の果てまで」で幕開け。オーケストラに馴染む重厚なリズムとサウンドが、一歩を踏み出す歌詞が、また、昨年中に竹内まりやのセルフカバーでそこそこ盛り上がったので、一曲目に相応しい選曲。

続けて「エメラルド」はちょっと捻ったなあ!「軽快さ」がキモな音楽なので大編成オケ向きではないと思うのだけど、パーカッションを軸にさらりとキレ良くまとめる。簡単な挨拶を挟んでさらに次に歌われる「Tears of Will」は、反対にオーケストラアレンジがバシバシにハマるので、ここまで3曲で「本日のオーケストラ」の自己紹介というか、そのレンジを見せつけたい、といったところか。

ちなみに「Tears〜」はアニメ「聖剣伝説 Legend of Mana」の主題歌なのだけど、ここからアニメタイアップが3曲続く。

アニメ「赤髪の白雪姫」主題歌の「その声が地図になる」この曲ってAメロがかなり低めでしかも言葉が少ないので、ライブだとバンドに埋もれやすくけっこう歌いにくそうにしている印象があるのだけど、今日のオケとのバランスはとっても良かった。こういうのもオーケストラコンサートならではの良さかもね。

冒頭パート最後は、「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」の何期だかの主題歌「Guide」〜といっても特にアニメタイアップとは無関係にいい曲なので、たまたまかな。たまたまかも知れないけど、あんましオーケストラのコンサートとか慣れないタイプのアニメファン客層への阿りかもしれない。まあ、冒頭に知名度のある曲を持ってくるのはプログラミングの基本ではあるよね。(その点でも「エメラルド」はちょっと面白いプログラムと思う。)

ここまで、昼公演は早見沙織の歌にやはり少し固さを感じたけど、夜公演はもうバッチリ喉も空気もあったまって、最初から100%のパフォーマンスって感じ。私はこの、「昼夜公演の夜の冒頭」が大好物である。しかしこれも、早見沙織が「100%で2時間歌い続けられるシンガー」だからこそではあるが。

ここで「あらためまして、2025年あけましておめでとうございます〜」とMCを挟んで…と簡単に言うのだけど、今回のコンサートは途中休憩もなくインストパートとかもなく、つまり歌って喋って歌って喋って歌って…をほぼ切れ目なくやってるのである。早見沙織、その声質や歌唱力に耳が行きがちだが、いやそれはもちろん素晴らしいのだけど、類稀なる「喉」にこそ畏怖を覚えずにはいられない。

で、MC明け、やった!ここで!念願の!「mist」キター!ほんとうに大好き。オケアレンジもよかった…そして歌唱がいままで聴いたmistの中でも最高だった…!ありがとうございました!

ところが、しかし、なんと、夜公演では「mist」が「ブルーアワーに祈りを」に差し替え!いやあああこっちも好き!早見沙織のブルーアワーはまじで圧倒的…歌手デビュー以来歌い続けてるのもあるだろうし、なんというかこの曲の「早見沙織にアテてキリッキリにチューンナップして作られてる」感、それを100%の早見沙織が歌うんである。推して知るべし。

続く「glimmer」は、ブルーアワーと並んで「お洒落ないい曲」カテゴリに入る曲で(独断)、ブルーアワー以上に早見沙織の歌唱にアレンジが入るから、どのライブも楽しい。わりと搾り出すように歌われがちだけれど、今日の、特に夜はブルーアワーからの流れもあって、かなり「歌って」いた。

「ブルーアワー→glimmer」は、そういう意味で、ちょっとしつこい感はあるので自分なら並べないけど、どちらもこんなに歌われると、もうなんでもいいな…。もっとはやみんを浴びていたいです…。

なお、個人的には「mist→glimmer」はすごく好き。おしゃれ。

さて、このお洒落パートを締めくくるのが、「Ordinary」である。ああーなるほどーこういう曲って早見沙織レパートリーの中では他にあんまりないかも。「glimmer」で終わるとしんみりしすぎるところ、お洒落な雰囲気を残したまま、そこそこ盛り上げつつ、チルめに納めてくれる。歌詞が良くて、私はもちろんのことファンの多い曲だし、前半の締め括りにもってこいでもある。…えっまだ前半???

再度MCを挟んで(現地ではここで長めのMCが入り、オケコンの雰囲気をぶっちぎって恒例の「はやみクイズ」コーナーを敢行。詳細は割愛するが、活うなぎ、豚まんそして万物への感謝であった。)、ここからは少し楽しい気分で!ということで始まったパートは「little forest」から。アルバム「JUNCTION」に収録されているのはアコギ伴奏メインなので、それに比べるとオケアレンジはなんだか大仰で、そんな大層な話をしてるわけじゃないんです…みたいな気分にはなる。それはそれで面白いけど。この曲の「♪〜しあわせ〜たいせつな〜」って歌い上げる早見沙織が大好き。「な〜」が好き。

突然のかーっちょいいドラムソロから、ジャズ系くるのかな?と思いきや「plan」である。「ちゃちゃっと盛り上げ曲」カテゴリの筆頭。いや、なんか腐しているわけではなく、ちゃんと盛り上がるんだよ。なにしろ早見沙織がかわいくて。 歩きながらくるんと回る早見沙織がキュートすぎる(昼限定)。ステージ上の横移動があったのは、これと2曲目の「エメラルド」だけだったかも。(あっなるほど「エメラルド」を2曲目に据えたのは「サイドへのご挨拶」の意図もあったかも。)

そして満を持しての「やさしい希望」。今日も息を吐くように歌ってましたね。「やさしい希望」はデビュー曲としてすごく大事にされていて、ライブでも必ずと言っていいほど歌われるから、どんどん上手になっちゃってるよね。早見沙織のライブの良さには、「歌った回数分だけ録音より上手い」という、すごくシンプルな原理があると思ってる。録音がすごくいいのに、ライブの方がずっといい。勘弁してほしい。

いよいよ「最後のパート」ということで、「はじまりの歌」と「Awake」の2曲を歌っていったん袖に下がるのだけど…夜公演で、このあたり…「はじまりの歌」の途中あたりからなんだか様子がおかしい。早見沙織の本気スイッチが入っちゃったのか、リミッターが外れてしまったのか、とにかく昼公演と比べても気迫がすごい。「100%のパフォーマンス」とか言ったけど、これはどう考えても超えている。150%は出てる。

特に「Awake」という曲は、ラスト近くで高音域が続く、歌うにはしんどい曲である。早見沙織のライブでは、そんなしんどい曲を最後に持ってくることが多々あって(たしかに最後に持ってきたいタイプの曲ではある)、ずっと歌い続けて最後にこれを歌うのすげえなあっていつも思ってた。とはいえ、録音に比べるとライブでは「裏に逃げる」感はあって、それはそれで美しいのだけど、今日の夜はいままで聴いたものとはぜんぜん違った。バチバチに張ってた。録音よりパワーがあった。まず目力がすごかった。オーケストラをも圧倒する気迫。睨まれたきり身動きができない。完膚なきまでに叩きのめされて、その後の記憶があんまりない。石化してたかもしれない。気づいたらアンコールの「新しい朝」を聴きながら泣いていた。

えっと、昼公演のアンコールはちゃんと覚えてる。まず「Statice」のEnglishバージョン!早見沙織楽曲の中でも数少ない全編英語歌詞による歌で、私はこの曲が好きというよりも早見沙織の英語歌唱がすごく好き。発音云々はおいといて、発声が良い。日本語バージョンと英語バージョンでちゃんと発声が違うから、ちゃんと違う言語に聞こえる。早見沙織はもっと英語を歌うべき!と思ったら途中から日本語バージョンに変わった!いいけど、個人的には全部英語で聞きたかった!

アンコール2曲目は「Abyss」で、チェロのソロから印象的にはじまるアレンジ。今日のオーケストラアレンジでいくつかソロパートあったけど、「Awake」間奏のバイオリンと並んで素敵な演奏。

「2025年、前を向けるように」という思いで選曲したという2曲「To years letter」と「LET'S TRY AGAIN」で、ほんとうの締めくくり。夜公演では「To years letter」が「新しい朝」に差し替えられて、それを聴いて感極まって泣いてたのは先述のとおり。それはそれとして、個人的に憧れてた「To years letter」のラララ合唱ができたのがとても嬉しかった。

「LET'S TRY AGAIN」は、ここに来て私はこの曲にあまり思い入れがないのだけど、それでも聴き入ってしまう。無条件に心を掴まれる。早見沙織はこういう「80年代バラード」っぽい歌がうますぎるのだ。「To years letter」も「新しい朝」も、そう。さらに夜公演のアンコールは、なにしろアンコール前が150%だったので、その「惰性」で120%くらいで歌ってる感じで、ずっと凄まじかったです。このパフォーマンスをコントロールするようになったらとんでもねえな。

 

以上、各公演17曲ずつ。体調回復して昼夜通しで聴けて、ほんとうによかった。もう2025年に思い残すことは、ない、と言いたいところだけど、3月のライブのチケットは購入済み、4月以降は10周年イヤーが本格化するので、めっちゃ思い残すわ。むしろいよいよ楽しみになってきた。生きろ。