「特別編 響け!ユーフォニアム〜アンサンブルコンテスト〜」

えっユーフォの話?えっ?していいの?!時間大丈夫??少しなら?少しかあーまあまあまあとりあえずそこ座ってよ!

響け!ユーフォニアム」っていうアニメがあって〜っていうところからはじめる?あっ原作は武田綾乃の同名の小説でこちらもすごく良いのでぜひ読んで。

で、その「ユーフォ」のアニメが2015年からTVシリーズを1期2期とやって、劇場版を2019年にやって、その続きにあたる作品がつい先日8月4日に劇場公開されたんですよ。「アンサンブルコンテスト編」って、中編という触れ込みで60分くらいの劇場版。なんでそんな中途半端な?って思うよね。確かに鬼滅とか推しの子とか最近のアニメ話題作はテレビでシリーズ初回90分枠でやって「映画じゃん!」てなったりすることを考えると、60分をわざわざ劇場でやる意味ってなんなの?っていう感覚は理解する。理解するし、正直言って納得のいく説明をする自信はないです。だって言葉にするなら

「それを俺が待っていたから」

なんだよ!

あ、待ってまだ立たないでまだ1分も経ってないでしょ。

いやさ、私自身「アンサンブルコンテスト」をつい先日観たのだけど、そこで「俺はこんなにもユーフォを待っていたのか」っことを思い出させてもらったんですよ。正直言って、いろんな事情からあんまり期待してなかった部分もあって、観に行ったのも8月4日金曜日の初日じゃなくて翌週入ってからという体たらく。

で、実際始まったら5秒で泣いた。「久美子が帰ってきた!」ということだけで感極まってしまった。それからずっとウルウルしてたよ。

大なり小なりファンはみんなそんな感じじゃないかなあ。Twitterとかでもやっぱり「ありがとう」みたいなファンの感想をたくさん見たし。で、「またまたそんな〜」とか斜に構えてたんだけど自分もマジでそうなったと。開始5秒でありがとうが溢れてくるじゃん。

これにはそれなりの理由があって、ユーフォのアニメはテレビシリーズ1期2期で久美子1年生編、劇場版で2年生編をやって、そこで物語が止まってて、でも2年生編の劇場公開と同時に「3年生編をやる」っていう発表があって、その直後に京都アニメーションの例の事件があって。

私がユーフォ見はじめたのは2020年頃と事件後のことなので、リアルタイムのファンに比べたら〜というところではあるのだけど。それでもアニメ1期から衝撃的なハマり方をしてしまったものだから、京アニの他作品なども見ながら復活を願いつつ、その中でユーフォはいつかいつかと楽しみにしてた。という自覚はあったつもりだけど、なんか自分で思ったより心待ちにしてたみたい。

2022年6月にみんな待ってた3年生編の放送時期が発表になって、界隈は大盛り上がり!だったわけだけど、同時に今回の「アンサンブルコンテスト編」の制作も発表されたんですね。これにこそ、全俺が歓喜。たぶん、原作小説読んでる組は全員小躍りしたと思う。アンサンブルコンテストのエピソード、それ自体とても良いのはもちろんなのだけど、久美子2年生編と3年生編を繋ぐ上で欠かせないんですよ。

これは私が3年生編原作を読んでしまったから言えることではあるのだけど、久美子3年生編で重要なポイントが「それまでの久美子の褒められ」で、それが特にわかりやすく描かれているのがアンコンエピ。部長としての初仕事を通して各方面からの久美子の評価が爆上がり。その前提があってこその3年生編。なんだけど、「誓いのフィナーレ」までのアニメでは、あんまり褒められがないんだよね久美子。

なもんだから、そのまま3年生に突っ込むと無理が出そうだなあと心配してて、まさに「アンサンブルコンテストやって欲しいなあーむしろ次作はそこからスタートして欲しい」と願ってたんだよね。って、これ↓に書いてた。

note.com

そこに「アンサンブルコンテスト編やります」の発表ですよ!さすが!わかってる!!

でもね、これまでのアニメを観ていると、なんとなくアニメの製作陣は、その作品の良さのポイントに自覚的じゃないな、と感じることがあって。まあここで言う「良さ」はあくまでも私が個人的に思う良さなわけで、つまり「私が好きなユーフォ」が、ちょっとしたことでそこからズレてしまう可能性について、いつも不安に思ってる。今作も例外ではなく不安。その不安を紛らわすために斜に構えてみたり距離を取ってみたりしてたんだよ。

もうね、申し訳ねえ。蓋を開ければありがとうが溢れ出て止まらねえよ。ありがとうございますありがとうございます。

それから、3年生編への期待の持たせ方がすごい!早く!早く観たい!!原作読んでるので内容はだいたいわかるのだけど、いやこの先に何が起こるか知ってるからこそ、おおー!うわあー!ひええー!●●●●●●〜!ってなってた。原作読んだ人とお話ししたい気持ちが強い。ので、むしろみんな読んで欲しいけど、ここまできたら読まないでアニメ観たいよね!そりゃそうだ!

というのをぜんぶ踏まえて、これを劇場でやる意味は、やっぱりあったよ。このアンコン編を「準備」と言うにはちょっと出来が良すぎだけど、3年生編に向けたスタートとして、「公開初日」みたいな概念が必要だったと思う。いや初日に観てないんだけどさ、それはそれとして、私の期待は思い切りクラウチングスタートをキメてる。たとえば円盤だけで出してたら、こうはいかないよね。劇場の没入感の中でこそ、「待っていた」という自分の気持ちを鮮明に思い出すことができたんだよ。結局のところ「俺が待ってた」からなんだよ。

お?ちょっと?観てみようかなという気になった?なってない?まあよかったら。65分だし、暇つぶしにでも。

ただ、正直なところ「ユーフォファン」向けに作られている感は否めないかなあ。当たり前っちゃ当たり前だし、むしろそれこそが目的だよねってことをさっきからうるさく話してるわけだけど、ユーフォ初見で本作観ても、ここまでの私の感覚はなかなかご理解いただけないかとは思いますすみません。

でもまあ、観るだけ観て、気に入ったらアニメ1期から観ていくのもいいね!それはそれでどういう感想になるのかも聞いてみたい!聞かせて!もはや気に入らなかった場合のコメントも聞きたい!聞かせて!

あ、ちなみに、音楽界隈の人で音楽もの苦手な人いるかもしれないけど、ユーフォシリーズは音楽ものではないから大丈夫。その話はこっち↓にたくさん書いたからよろしく。

note.com

要するに、ユーフォのキャラ達はコンクール全国大会金賞を目指しているだけで、「良い音楽をしよう」などとは微塵も思ってないという点で音楽ものではなく純然たる部活ものだよね〜って話。それが良いんだよ!っていうことなんだけど、これはアンコン編でも健在で、しかし不安に感じていたポイントでもあったので、よかったよかった。

そういえば、もういっこ不安だった件、「くみれい」つまり久美子と麗奈の関係性に関する描写、ユーフォの見どころな。本作でもここはむしろかなり自覚的なものを感じたし良いシーンたくさんだったけど、やっぱりちょっとテレビシリーズほどの、あの回やあの回のようなキレは無かったんではないでしょうか。あの回やあの回を担当したキレッキレの演出家さんが京アニを辞めたから…と思ってしまうのだけど、そういう見方をしてしまってるだけかなあ。いや水を差すようで申し訳ない。

しかし3年生編で「くみれい」はクリティカルな部分ではあるので頑張ってほしいし、あんまりクリティカルなのであんまりキレると死ぬかもしれないので今作くらいの感じでお願いしたい気もするし。いまから期待と不安の入り混じりすぎて吐きそう。あ、これは「楽しみ」っていう意味ね!この吐き気が「楽しみ」っていう意味なんだってこと、今回のアンコン編で知ったよね!

まだまだまだまだ話したいことたくさんあるけどこのくらいにしておく!ここまでお付き合いいただきありがとう!観たら感想お話ししたい!よろしく!