悲劇のX

米澤穂信「Iの悲劇」の感想で、せっかくなのでオマージュもとの「Xの悲劇」読んでみようかと書いて、素直なのでちゃんと読もうと思って図書館で借りてきた。

これがまあ古い本で。

いや古いのは当たり前かもしれないけど、古いし、わりとボロい。しかしまあ、かなりの日焼けとヨレはありつつも破れたりはしてないので、図書館的にはまだいけるということらしい。

さすがは古典中の古典、これはこれでなかなか味があるじゃないか、ぜんぜん気にしないよ〜つってカバンに入れて家を出た。通勤電車の中、いざ読もうと本をカバンから取り出して、ふとよぎった違和感を感じなかったことにしてページをめくる。へえーなんか全然イメージしてたんと違う。面白いかどうかは…もちろんまだまだわからない。

それにしても風邪が流行ってるなあ〜隣に座ってた人もくしゃみしてたし〜などとぼんやり考えながら電車を乗り換える。

本を読むのは電車が多いのだが、電車に乗る時間がそこそこ長くても、乗り換えがあるとその都度スマホを見ちゃったりして、なかなか進まないことが多い。

しかし、さすがの時代を生き抜いた名作は、文章の推進力が違うのか、続きが気になる。乗り換えた先の車内ですぐに件の古い本をまたカバンから出して読み始めると、また近くでくしゃみをする人。しかも2人。いやほんま風邪流行りすぎーって違うわこれ、自分のせいだ。私が本を出したからだ。

気づかないフリしてたけど、さっきの違和感、いや違和感もなにも、この本めっちゃ臭い。あの古い本のにおい、のカビくさい部分が強い。そしてそこから飛散したホコリを吸って、敏感な方がくしゃみを…ほんとうに申し訳ない。臭いなとは思ったが、まさかそこまでの破壊力があるとは。即、カバンにしまった。

結局そのまま図書館に返してしまったので、まだほとんど読んでない。蔵書としては他にもあるようだが、古いことは同じなので状況はあんまり変わらないかな…わざわざ確かめるよりは、買うか。

オススメの訳とかありますかね。